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2010年6月 1日 (火)

Winnie the Pooh プー原作英語で読む -2 第1章

CHAPTER Ⅰ

In Which We Are Introduced to Winnie-the-Pooh and Some Bees, and the Stories Begin 

プーの物語の始まりはいわゆる"本の中の世界"ではなく、ミルン家の中で始まります。

くまのプーさんのオープニングも、プーさんのハニーハントもクリストファー・ロビンの部屋から始まっているのはこのためです。

最初のEdward Bearというのは、プーの名前の一種とかではなく、テディ・ベアことです。

テディ・ベアはアメリカ大統領ルーズベルトに由来していて、TDSのS.S.コロンビア号内の「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」もここからきています。

さて、物語は親が息子にお話をしてあげるスタイルで始まりますが、この親が作者のA.A.ミルン、子供がクリストファー・ロビンです。

この章の途中でクリストファー・ロビンが登場して、一旦物語りは中断して親子の会話になりますが、つまり物語の中のクリストファー・ロビンとミルン家で話を聞いているクリストファー・ロビンは同じ、というわけです。

そして父親によってプーの物語は語られます。

 

この物語はディズニー版でいうと「プーさんとはちみつ」の前半にあたります。

"Once upon a time, a very long time ago now, about last Friday"

というのはすごく昔と言っておきながら先週の金曜くらいと言って笑いを誘っています。同時にOnce upon a timeは御伽噺の定番ですね。

そしてここでけっこう勘違いされやすいポイントが出てきます。

"Winnie-the-Pooh lived in a forest all by himself under the name of Sanders."

プーはサンダースの名の下で暮らしていた。ということですが、ここでプーの名前が「サンダース」だと誤解する人が多いようです。

「名の下に」ではプーがサンダースという名前という意味にはなりません、サンダースという名も使ってくらいでしょうか。

それよりも、ここでは物理的にサンダースという名(表札)の下でという意味が強いでしょう。

二つの意味を掛けて使っているわけです。

挿絵を見れば、Mr. SANDERSの表札の下で暮らしていることが分かりますね(スペルは違いますが)。きっとそこらへんにあったのをプーが付けてみたのでしょう。

ここでディズニー版では家に入って体操をしますが、原作ではそれは第2章の冒頭です。

最初からハチが出てきます。

ここでプー哲学が登場。

"That buzzing-noise means something. (中略) and the only reason for making a buzzing-noise that I know of is because you're a bee. And the only reason for being a bee that I know of is making a huney. And the only reason for making honey is I can eat it."

ハチの音→ハチがいる→ハチは蜜を作るためにいる→蜜を作るのは僕が食べるためだ

という恐ろしい理論を用いてはちみつを採りに向かいます。

英語だと非常にリズミカルな文章です。内容は凄まじいですが。

そして、木に登るわけですが、ここでの"He climbed"以降は挿絵と連動して、文章が一語ごとに縦に配置されています。iBooksなどはそのような使用ではありませんが、実際の本だとこのような箇所が今後も何度か出てきます。

これはミルンのこだわりであり、挿絵を描いたE.H.シェパードに自ら指示を出して文章内の挿絵の配置を指定したほどミルンは本全体のレイアウトを考えています。

このようなところは縦書きの日本語ではどうしても対応しきれないところです。

その後プーは木から落ち、クリストファーロビンのところへと行き、風船を貰います。

ディズニー版では目の前にあった風船を貰いますが、原作では風船はないかと尋ねて、緑か青かまで考えて風船を貰っています。

イギリスのホームパーティーでは風船が定番のようで、帰りに風船を貰って帰ったりするそうです。今後、イーヨーの誕生日の話ではピグレットが家から風船を持ってきますし、ティガー・ムービーでの家族パーティーでも大量のティガー柄風船があります。

また、このシーンのプーの台詞"I wonder if you've got such a thing as a balloon about you?"はかなり丁寧な言い回しです。

ディズニー版プーになれている方には違和感があるかもしれませんが、プーは非常に礼儀正しい熊で、実際石井桃子さんの日本語訳ではプーは基本的に敬語で話しています。

そして、"You never can tell with bees."はクマのプーさんによって生まれた英語の決まり文句の一つとなっています。

この言葉はこの後何度か登場します。

さて、泥んこになり、自称青い空に浮かぶ黒い雲になったプーは風船で飛び上がります。

ここで先ほど木に登った時に続いてsong(詩)を読みます。

プーは詩人なのです。しかもかなりの腕前の。

ここが英語版原作プーの大事なところ。ミルンは絵本作家よりも詩人であるため、文章全体が韻を踏んでいたりと読みやすい詩のような流れになっています。

さらにプーは要所要所でかなり上手い詩を読みます。これがディズニー版になるとシャーマン兄弟による曲になっているわけです。

くまのプーさんはミュージカルでもないのに度々歌が登場するのはこのためです。

ハチに正体がバレているプーはなんとか打開策を考え、クリストファー・ロビンに傘を持たせ、"Tut-tut, it looks like rain"と言わせます。雨が降ってきたのだからその上にいるプーは雨雲だろうとハチが考えると読んだのです。

もちろん特に効果も無くハチミツ獲得にはいたらなかったわけですが、肝心の降り方を考えていませんでした。

そこでクリストファーロビンがおもちゃの銃を使って風船を割って降りてくるわけです。

挿絵を見る限りどう考えても紐の長さが短すぎますが、ここは平和主義者ミルンとシェパードの本ですから仕方ないでしょう。

ディズニー版のどたばたは特に無く、平和に終わっていくのですが、ここで最後にディズニー版には無い話が。

プーは長時間風船にぶら下がっていたため、つかんで上に上げていた腕が戻らなくなり、しばらくその体制のまま動けなかったのです。

そしてこのときプーの鼻にハチがとまり、それを追い払おうとしても手が動きませんから、プーっとやってハチをどかしたのです。

これがプーの由来なのかもしれない、とミルンは言っています。答えは誰も知りません。

このシーン、ディズニー版にはありませんが、強いて言えば「くまのプーさん/完全保存版」のオープニング、くまのプーさんの曲に合わせてキャラクター紹介が行われ、最後のプーのところ、「♪くまのプー (プー) くまのプー (プー) まるまるとした~」の(プー)のところ、鼻にとまった蝶を同じように追い払っているところはこのシーンから来ていると思います。

 

プーの物語は終わり、再びミルン家の親子の会話に戻ります。

クリストファー・ロビンがお風呂に入りに行きます。

ここの挿絵にあるバスマットはこの本のIntroductionの前のページでプーが見ているバスマットですね。プーが見ているほうは裏返しになっていますが。

 

こうして第1章は終わります。

最初なので原作版とディズニー版との大きなイメージの差を埋めないとこの後つまっていきます。

また、1章の時点でミルンとロビン以外にプーしか登場人物がいないと言うのもポイントです。このあと章が進むごとに少しずつキャラクターが増えていきます。

次回は第2章、引き続きディズニー版だと「プーさんとはちみつ」の後半にあたります。ストーリーはほとんど変わらないのでディズニー版を知っている方なら読みやすいでしょう。

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