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2011年5月24日 (火)

【ネタバレ注意】映画「くまのプーさん」感想

いよいよ9月3日に全国で公開されるディズニー長編51作目「くまのプーさん」

このブログでは2年にわたって情報を追い続けています。

そんなわけで気が早まってもう感想を書きたくなりました。

まだ映画見てないけど。

内容はほぼ把握しているのでネタバレ含んだ感想として書きます。

既に公開されている国で観たよという方のみ続きへ進んでください。

 

以下ネタバレ注意

 

49作目で2Dプリンセス復活、50作目は初の3Dプリンセス、とディズニーの復活と新しい時代への一歩を感じる。そんな中の51作目

ディズニー長編でイギリスが舞台なのは26作「オリビアちゃんの大冒険」以来作られていない。

第一次黄金期を支えたイギリス原作が久々に帰ってくると共に、その作品に感じられる要素は極めてイギリス的な"原点回帰"。

そして今作のストーリーは「オリビアちゃんの大冒険」監督のバーニー・マティンソン。ちなみに、この人は「ミッキーのクリスマスキャロル」の監督としても有名で、こちらもイギリス原作。

アメリカの象徴とされるディズニーの51作目は、対極ともいえるイギリス的な回帰を見せていると感じる。

 

最初と最後の子供部屋、そして本を開いて森の地図、シャーマン兄弟の歌というのはプー作品では定番。

ただ、今回個人的に印象に残ったのがCHAPTERⅠの入り方。思えばプーの家から入るのは完全保存版以降なかった。

ナレーターとの絡み、本のも字をいじるといった要素は確かに完全保存版の特徴だけれども、これはティガームービーでもルーの楽しい春の日でも行なわれている。

そういうことは予想していたが、プーの家からCHAPTERⅠというのは考えつかなかった。まさにあの時代へ戻ろうという製作者の気持ちを感じた。

 

それぞれキャラクター毎に活躍シーンを作っているのが素晴らしい。とはいえカンガとルーが足りない気もするが。

今作は「イーヨームービー」だと思っていたが、十分にイーヨーにスポットを当てているにもかかわらず、プーもティガーもピグレットもきっちり自分のシーンを持っていて、自分のキャラクターが存分に出ている。

誰もが安心して楽しめる、というプーの魅力は、ファミリーエンターテインメントの真髄ディズニーの中でも特に際立っているのではないか。

 

プーとイーヨー、そしてオウルの絡み。

キャラの言動もさることながら、このシーンは色合いが好き。

たとえイーヨーの場所でも、あれほどじめじめしている場所は100エーカーの森史上初だが(ズオウの谷は別)、逆にこの暗さと他の色のコントラストが良い効果をもたらしている。

水彩画タッチの背景、イーヨーとマッチした森、そしてプーの黄色が映える。可愛い。

 

A Very Important Thing To Doあたりは、懐かしさを感じるプーらしいシーン。

キャラクターが歌うのではなく、天の声で歌われているのがなおそれらしい。

ピグレットムービーのWith a Few Good Friendsもそのような曲だが、今作ではエンディング曲が別に用意されているのでなお良い。

 

The Backson Songはまさに2D。

姫蛙のAlmost Thereにあたるシーンになっているが、Almost Thereはまさにプリンセス映画のものといった優雅さを感じる。これにたいしてBackson Songは100エーカーの森らしさが発揮されていると思う。

どちらも素晴らしい。2D愛してる。

ちなみに、キャラクターたちが絵で自分たちのことを描くのは、ピグレットムービーを思い出す。

 

Everything Is Honeyはティガームービーのララビー同様、プーのためだけのシーン。

狙い打ち。卑怯だ(最上級の褒め言葉)。

 

穴のシーンは、プーらしいほのぼのとしたドタバタ騒動が出ている。

この事態が起こっている理由のすべてがバカバカしすぎる。

そこから上手くピグレットシーンにつなげたし(ここでピグレットが頑張るのもピグレットムービーらしい)、

最終的な脱出方法もプーさんとティガーの逆の発想といった形で面白い。

一つ言うなら、原作から考えるとピグレットはもっと頭がいいので、あまり天然シーンは好ましくない。

でもこのやりとりでのプーはめちゃくちゃ可愛い。

 

ストーリーとしては、ちょっと複雑だし詰め込みすぎた印象。

もうちょっとテンポ遅くしてのんびりやっても良かったのではないかと思う。

原作のアレンジは上手いが、あそこまで「原作から5話使用する」と言っていた割にはそこが分かりにくい。

結局イーヨーの尻尾探しとクリストファーロビン探ししか正しく使えていない。

プーのハチミツの件は原作にはないし、そういうことを考えると原作らしさは中途半端になってしまったのではないかと思う。

クリストファーロビンの姿、ピグレットの家といった要素からも、80年代以降のディズニープーを変えてやろうという気合を感じるが、これが必要なのかもはっきりしない。

ディズニーらしさはしっかりと打ち出せたと思うが、代わりにプーらしさ-完全保存版という一つの作品だけでなく、プーが築いてきた85年のもの-の全てを作品に注ぎ込むまでは至っていなかったように思う。

しかし、この時代に完全な2Dで挑み、さらにミルンの言う「ただ楽しむためのお話」をしっかり見せてくれたことは本当に嬉しい。

愛とか友情とか夢とかはっきりしたメッセージはなくても、100エーカーの森が元々持っている大切なものは伝わる。プー映画の根幹はきっちり保てていた。

 

ディズニー長編51作目としても、2D復活2作目としても、ウォルト生誕110周年記念作品としても胸を張れる作品。

ストーリーについて文句は言ったが、お前の原作主義がおかしいといわれればそれまでの話。

これが僕の愛するくまのプーさんです、と言い切れる、そんな作品になったと思う。

早く本編を観たい。

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